[No.583]高橋幸宏 60th Anniversary Live

幸宏還暦記念コンサートに行ってきた。12月22日、渋谷のオーチャードホール。全キャリアを網羅する選曲で、途中休憩を挟んで何と3時間30分超えのコンサート。ゲスト・ミュージシャンも多数参加で幸宏を盛り立てたのだが、何よりも本人の本気度合いが凄い。どの曲も実にロックしている。バックのメンバーは幸宏の気合いに応えるようなこれまた本気のプレイで、充実した演奏だった。観に行って本当に良かった。

正直に言うと、この手の記念ライヴにありがちな緩やかな空気が流れるのほほんとしたライヴだったらどうしようという不安はあった。しかし、1曲目の「世界中が I Love You」からして、音が団子になってぶつかってくるような聴こえ方で、とても60歳を迎えるミュージシャンのサウンドとは思えなかった。その勢いで続く「It's Gonna Work Out」「Murdered By The Music」は、これは凄いライヴになるぞ、という確信を持たせるのに十分な演奏だった。古くからの音楽仲間であるBUZZ東郷正和が最初のゲストでコーラスに参加。レコーディングでもコーラスをしてくれた曲で、初めてライヴでやるといって始まったのが「Radio Activist」。これには参った。こんな調子で、代表曲は勿論、「えっ? この曲をやってくれるんですか!」という曲までヴァラエティに富んだ選曲で楽しませてくれた。

スティーヴ・ジャンセンとバンドのドラマーと幸宏が加わってのトリプル・ドラムによる「Stay Close」の凄まじさ。ドラム3人同時演奏なんて初めて観た。加えて今回参加のこれまた古くからの友人である小原礼のベースの音圧がまた凄い。最近、奥田民生のバックでも太いベースを聴かせてくれているが、知り合いというだけでなく、あのベース音が欲しくて参加させたのだろう、と思われる。

「Disposable Love」「前兆」など80年代前半の曲を中心に12曲目まで終わったところで、Pupaのセットへ。原田知世も入り3曲、『Blue Moon Blue』『Page By Page』から3曲演奏して休憩を挟んで細野晴臣が登場。Sketch Showの曲を3曲。00年代のエレクトロニカものが続く。こうした音はあまり得意ではないが、逆に幸宏のメロディ・メイカーとしての才能に改めて気付かさせる。基本がポップな歌ものであるところが彼のよさである。

坂本龍一から「ごめん、今日は行けない」というメールが来た、というMCに「それで済むんだ」とチクリと刺す細野。「その手があったか」などとフォローを入れつつも、「ここに来てやるほうがいいよね」と流石の発言。幸宏も「細野さんは元気ですね、呼べば来るもんね」と返す。相変わらず面白い3人の関係だ。

鈴木慶一が登場しビートニクス・コーナーに。夜ヒットやMステ出演エピソードを交えての「ちょっとツラインダ」、「この曲好きだなあ」と言って始めた「1%の関係」鈴木慶一が去ってからも更に凄い。「Glass」のガツンと体にぶつかってくるようなリズムとリフ。スタジオ盤以上に緊張感も高くテンポアップした演奏に打ちのめされる思いだった。「Something In The Air」ですら迫力満点。本編最後は期待通り「今日の空」

アンコール1回目は「Set Sail」「Prayer of Gold」の2曲。テンポは緩やかだが、明らかにロックのノリ。特に「Set Sail」でドラムが入ってくるときのフィル・インがまるっきりプロコル・ハルム「ソルティ・ドッグ」のそれとそっくりだったことに改めて気付いた。

アンコール2回目の本当の最後はまさかの「サラヴァ!」からのナンバー。このファースト・ソロ・アルバムの曲をライヴで聴くことができるとは思っていなかった。しかも「Sunset」とは! 「Saravah!」のアコースティック・ヴァージョンで幕を閉じたコンサート。唯一YMO以前の音を出している「サラヴァ!」の2曲は勿論横揺れのノリだった。全33曲、まるで幸宏のライヴを一生分体験したかのようだ、と終演直後思わずメールを打ってしまったほどの充実度だった。やはりバンドでキャリアを始めている、しかもドラマーの60周年記念なのだから、どうしたってロックなのだ。

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